負けるわけにゃいきまっせんばい! 2
ともあれ、気がついてみればいつの間にか、俳優生活も五十年を越えたんです。
昭和二十七年(1952) 日本大学芸術学部演劇学科に首を突っ込み、昭和三十二年(1957) 新劇の劇団文化座に入って約八年間の演劇活動。ある事情でそこを退団し芸能活動を続けるうちに、自分の意思とは関係なく、敵役人生を歩き始めていました。 これまでに何本の舞台や映画、テレビに出演したでしょうか。ま、それは大変な数になるでしょう。もちろん数えたこともありませんが、作品の良し悪しはともかくとして、どの役にも愛着があります。それはみんな私の分身みたいなものだからです。強いて印象に残るものといえば、それは昭和四十九年(1974) 二月二日封切り、東映製作のアクション映画「激突!殺人拳」でしょうか。それはこの映画の登場人物「志堅原楯城」という役を演じたことによって、はじめて、ああ、あんな俳優もいたんだと不特定多数のみなさんに認知していただき、この複雑怪奇で大変な世界を生き残って、現在の私があるきっかけになった作品だからです。これを契機に、東映は私を敵役としてイメージアップしていったようですね。 歳月の流れは、本当に速いものです。俳優としてこの先、体力、記憶力、想像力の続く限り、「生涯現役」の気概を新たに、踏ん張れるだけ踏ん張るぞと、ここらで一度自分自身を再確認する意味で、今まで出会った人とのふれ合いや、自分の生き様などを振り返ってみるのもいいのじゃないかなあと――。 悪役、 その生き様死に様 <悪役、(敵役)とはなんだろう?> ただの憎まれ役と言ってしまえば簡単ですが、答えは大変難しいですね。 図式で言えば、主役の行動線に対する反対行動線であり、その相反するものがぶっつかり合い、その葛藤がドラマを盛り上げるのですが、じゃその人物(役)を形象化するにはどうしたらいいのでしょう。舞台も映画も現実ではない虚構の世界なのだから、当然その俳優が創造するイマージネイションの世界になってきます。ドラマ自体が虚構なのですから、それにリアリティーを持たせるためにはいろいろな操作が要求されます。舞台でのリアリティー、映画でのリアリティー。
by masashi-ishibashi
| 2008-04-10 14:08
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