石橋雅史の万歩計

負けるわけにゃいきまっせんばい! 87

 <日芸の空手道部>

 さて、高校を卒業いたしまして、なぜか私ごときが、日本大学芸術学部演劇学科に進学ということになるのでありますが。学業の傍ら、高校時代にやっていた柔道を続けたくて、校友会をたずねましたところ、この学部には柔道部がなく、その代わりと言っちゃ変ですが、空手部があったんです。どうしても柔道がやりたいというのであれば、神田三崎町の日大本部まで通わなきゃならないわけで、この時間もお金も無いのにトンデモハップン。そこへ名古屋から出てきた同級生で、やはり高校時代に柔道をやっていたのがおりまして、その男に「おい、石橋、空手をやってみるのも面白いかも知れないぞ」と誘われたのと、高校時代に柔道部の道場で見た、空手演武の一場面が脳裡に浮かんだのとで、「それもそうだなあ、やってみるか」で決まっちゃった。
 空手を始めた動機なんて単純なことでして、要するに男性的な強さ、強さと言ってもただ闘争的な強さ、そんな格好よさですね。これに憧れていただけですから薄っぺらなものです。それに稽古着は空手着でなくても、柔道着でも剣道着でも何でもいいと言うんですから、これはもうこっちにとってはお誂え向きという奴で、それと流派も剛柔流、(この頃は空手の流派についてなど、何も知らなかったのですが)、〈剛よく柔を制し、柔よく剛を制する〉ってところがいいやってんで、早速入部しちゃったんです。動機はとlもあれ、この空手が私の生涯に、これほど深い関わりを持つ事になるなど、この時は思ってもみないことでした。
 だけどこの頃の空手は、まだまだあまり印象がよくありませんでしたよ。今でこそ世界大会があったり、国内外で社会的にも認知されて、オリンピックにも、正式競技として認めたらどうかと言う話もありますが。映画などに出てきても、空手家はまずほとんどと言ってもいいくらい、悪役ばかりでしたからね。「姿三四郎」の中に出てくる比嘉城三兄弟。でもこの映画で故月形竜之介さんが演じた、比嘉城源之介はすごく魅力的でした。あの映画は確か、黒澤明監督の第一回作品で、昭和十八年に作られ、主役の〈姿三四郎〉は藤田進さんでしたよね。ちょっと世代が古すぎますか。もっとも私はずっと後年になって、戦後に観たんですがね。
 それにしても、何度も繰り返すようですが、高校時代の柔道場での、追憶の断片としてしかなかった空手が、俳優としての私と繋がりを持つことになるとは、本当に、夢にも思いませんでしたが、人の行く末と言いますか、運命なんて分からないものです。
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by masashi-ishibashi | 2008-08-31 14:36
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俳優石橋雅史ぶらぶら日記
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