石橋雅史の万歩計

負けるわけにゃいきまっせんばい! 68

 <三十九歳の挑戦>

 さあ、これからが籠の鳥。武術家の立場からみた台本の直しや、出演者の武術指導などに力を貸してもらいたいので、撮影がクランクインするまで、このまま京都にいてもらえないかとのことなのです。そんなこと勝手に決めて抱え込まれても、足元から鳥が飛び立つようにとはこのことで、あれよあれよと言ううちに、急に決まったことですから、私にだって一旦東京に帰って、整理しなければならないことがいろいろあるんです。
 なんとも困ったことは、この前にご紹介しました、劇作家であり演出家の福田さんに決めていただいた舞台があったんです。東映では、うちのほうから相手の会社に話をつけますって言い出すし、そんなことをして、もしトラブルにでもなったら、福田さんには何時も無理をしてもらっているのに、私の立つ瀬がありません。しかしこのチャンスを生かすためには、どうしても、また福田さんにご迷惑をかけなければならない。なんといっても、一度決めていただいた舞台を、キャンセルしなければならないと言うことなのですから。でもこれは、自分で正直にことの経緯をお話しするのが礼儀だと、意を決し、電話で状況をご説明したんです。ところが福田さんは私の心配をよそに、このことを大変喜んでくださって、こっちの方は万事円満に解決しておくから、映画の方を頑張って〈石橋雅史〉をアッピールしなさいと励まされ、本当に何から何まで気を使っていただいたことに感謝したものです。
 さて撮影です。撮影準備のお手伝いも何とか終わり。京都太秦の車折神社に詣でて、無事故、大当たりを祈願。クランクインしてからも、アクションシーンには常時側にいてもらえないだろうかと、監督や千葉氏からの要望があり、ことの成り行きで、俳優とスタッフを兼任する羽目になっちゃいまして、それはそれは大変な肉体労働。なんたって大役、大任ですからね。しかし、朝、撮影所に入って、千葉氏や監督からの「今日も一日、よろしくお願いしまーすッ」という大きな声を聞けば、こりゃあ、なんとかやらにゃいかんなあと思いますよね。根が単純に出来ていますから。それにしても、この作品ぐらいいろいろな思い出が残っている仕事も無いでしょう。
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by masashi-ishibashi | 2008-08-06 13:56
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俳優石橋雅史ぶらぶら日記
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