石橋雅史の万歩計

負けるわけにゃいきまっせんばい! 61

 <映画との出会い>
 
 ことの次第をよく聞いてみますと、たまたまこの時の芝居に、東映の賀川雪絵ちゃんが出演していたので、その楽屋見舞いに来ていたんだそうでして、しかし、まだパンフレットを見ていなかったものですから、私が出演しているなんて思いもしなかったらしいんですね。それがいきなり暗闇の中に、扮装したままの私がにゅうっと現れたものですから、本当jに目を疑うほどびっくりして、そうでなくても普段から目つきが悪いのに、更にその目をぎょろつかせて見入っていたらしいんです。まったくどっちがすっとこどっこい野郎の人騒がせだか分かりませんけど。
 それはそれとして、その彼が持ってきた仕事の話というのは、東映の本編(劇場用映画)だとのこと。マネージャーもいなくて生活も苦しく、少しでも仕事が欲しかった私にとっては、思いもかけない福音で、もう舞台の方はそっちのけ、思わず乗り出して詰問! いやいやそんな失敬な……、第一、男がそんなにころころと、軽薄に喜びを面に出すのはみっともない。「武士は食わねど高楊枝」なぁーんて言っちゃって、その実、内心はわくわくと浮き上がってしまい、まるで落ち着きを失っちゃっているのでありますから、どう繕ってみても、見透かされているようなものであります。
 彼いわく、今、東撮(東映東京撮影所)で、梶原一騎原作「ボディーガード・牙」、サブタイトル〈必殺三角飛び〉というアクション映画を、千葉真一氏の主演で撮影している。この映画のイントロ(イントロダクション・最初の導入部)の部分で、千葉氏と果し合いをする空手家がいるんだが、その役をこなすことの出来る格好の俳優が見つからない、ドラマの発端になる遺恨試合なので、なんとしてもドラマチックに仕上げたい。
 それにはしっかりした芝居が出来て、且つ又、本当に空手という武術を修行している俳優が必要だ。ついては自分の知っている男で、石橋雅史というぴったりの俳優がいる。俺が連れてくるから任せてくれと、プロデューサー氏を説得し、そのシーンの撮影日程を変更。あんたを探し回っていたんだよって、まあ泣かせるような、嬉しいことを言ってくれるじゃありませんか。
 勿論、うんもすんもなくOKですよ。のどから手が出そうなくらいだったんですから。
 ところがどっこいしょ、出演料はいくらなのと聞いて二度びっくり。ずっこけましたね。
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by masashi-ishibashi | 2008-07-29 13:01
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俳優石橋雅史ぶらぶら日記
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