石橋雅史の万歩計

負けるわけにゃいきまっせんばい! 59

 もうひとつ、その俳優が売れるか売れないかは、プラスαでしょうか。その人の身体全体から醸し出す、雰囲気といいますかオーラーといいますか、魅力です。この魅力は、色気なども同じですが、創ろうと思って出来るものではなく、その人が持って生まれた天性のパーソナリティーと、生き様から出てくるものでしょう。お芝居がしっかりしてうまい人はたくさんいます。だからといって、必ずしもその俳優が人を惹きつけるとは限りません。それじゃお芝居は下手でもいいのか、といえばそれも駄目です。両方を兼ね備えた時に、初めてお金を払っても観られる、観客を魅了することの出来る俳優が成立するのです。これはライブであるお芝居も、また間接的にお客さんと接する映画やテレビでもまったく同じことです。ひとはみんな自分に無いものを欲しがるものでして、お客さんもそうです。映画やお芝居を観ることによって、視覚的に劇中人物と同化し、無意識のうちに疑似体験し心を揺さぶられるのです。まあ、そこいらのところに、クリエーターとしての私たち側からすれば、芝居創りに対する、やりがいとか喜びを体感してるんですけどね――。一種のナルシストかな……?
 話を元に戻します。運命の流れと言いますか、出会いの広がりは、思いもかけないところへと発展していくものですね。福田さんに拾われて、商業演劇の流れに乗り舞台に出演していたことが、ある時、ある所で、ある人に出会い、映画出演へと繋がったんです。「君は映画に向いているんじゃないかなあ」とおっしゃってた、長谷先生が亡くなられてから十六年目。福田さんとの出会いがなかったら、この劇場にも出ていなかったでしょうし、そうすれば恐らくこの人と顔を合わせることもなく、映画出演の話は他の人で決まっていたでしょう。となれば当然現在の私は無かったわけです。
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by masashi-ishibashi | 2008-07-23 13:12
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俳優石橋雅史ぶらぶら日記
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